競輪予想ブログで信頼できるのはどこか?それはマクリオーさんでしょう!

競輪コラム

マクリオーさんとは、「マクリオーの競輪競馬予想!」という個人ブログを運営されている50代男性です。アメーバブログで更新した記事数は1,000記事を超え、継続は力なりを地で行く活動をされています。

マクリオーさんのブログで特徴的な部分はいくつかあります。それは軽妙な語り口であり、配偶者を「鬼嫁」や「鬼」と表現する恐妻家な一面であり、狙いレースを絞って予想するスタンスでもあります。

その予想はある時は非常に的確なのに、ある時はとことん的外れという、競輪ファンの喜びと悲しみとを見事に追体験させてくれる内容といえるでしょう。

この記事では、そんなマクリオーさんのブログから改めて競輪の魅力を再発見するとともに、アラフィフ男子の車券力を検証していきます。

マクリオーさんの予想の本質は野性

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

マクリオーの競輪競馬予想!
https://ameblo.jp/keibaananerai/

マクリオーさんは、主に特別競輪や記念競輪を中心に更新されています。毎日更新を旨としているわけでもないため、かなり更新期間が開くこともあるのが特徴でしょう。

実際、2020年12月6日現在でも、最新記事欄にはまだ11月の競輪祭の記事がまるまる残っています。普通にお仕事をされている方ならではであり、趣味で競輪予想をされている方ならではといえるでしょうね。

なお、競輪競馬予想というブログの題名ですが、競輪予想記事のほうが圧倒的に多くなっています。競馬予想もしないわけではないものの、限定的な存在です。

そんなマクリオーさんは長年の経験から来るカンを大切にされていて、野性派の予想家と位置づけられるでしょう。

一方で、広告収益を得られないアメーバブログを使用し続けていることからも、ブログで金を稼ごうという気持ちはさらさらないようです。ある種の潔さを感じる部分ではあります。

では、実際にマクリオーさんの予想がどれくらい当たるのか。読者からしての実利はあるのか。単に文章とがっくりくる様が面白いアラフィフおじさんなのか。徹底的に調べてみましょう。

2020年12月別府競輪「オランダ王国友好杯」の実績

別府の記念競輪である「オランダ王国友好杯」については、3日目の予想記事のみがアップされていました。その後はGo To トラベルを利用して配偶者様とツアー旅行に出かけられたみたいで、予想結果のみが掲載されています。

ちなみに別府記念の決勝は浅井の2、3着で買ってました

引用元:https://ameblo.jp/keibaananerai/entry-12642435723.html

見事に1着になった三重の浅井康太選手の2着3着付けしか持っていないあたり、マクリオーさんの宿命を感じずにはいられません。

では、唯一事前にアップされていた3日目の予想はどうだったのでしょうか。10Rと11Rのものが掲示されていたため、実際の画面とともに検証してみます。

2020年12月5日別府競輪「オランダ王国友好杯」[3日目]10R

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

2020年12月5日(土)別府競輪「オランダ王国友好杯」、3日目のS級準決勝の1つ目。ここは初日特選を単騎ながら快勝し、さらに2日目も見事に勝利した大阪の古性優作選手が本命視されていました。

後ろには岐阜の山口泰生選手が控えていたことからも、初日より状況は良いと言えましたし、決勝に勝ち上がる最有力候補なのは間違いないでしょう。

鍵になるのは千葉の111期、37歳にして充実期の野口裕史選手だろうと予想したマクリオーさん。それでも、結局は古性選手が有利な展開になるのは仕方ないと決めていました。

一方で、福岡の北津留翼選手の台頭、および北津留選手につける同県の園田匠選手のイン突きまでにらんでの予想です。259-1=23569は折り返しありの3連単フォーメーションで24点ですから、幅広く展開を読みながらも、園田選手の差し込みは固定という勝負車券です。

出典:KEIRIN.JP

結果はずばり5-2-1による的中でした。1着は福岡の北津留選手、2着に大阪の古性選手、3着に福岡の園田選手で、3連単は5,460円の配当です。最低でも2,400円の投資を実践する価値のある車券だったといえるでしょう。

展開としてもスプリンターでダッシュ信条の北津留選手、およびそれについていった同県の園田選手が上がり1位2位を記録しました。

古性選手のまくりに、8番手にいた北津留選手がさらに外からまくる、まくりの打ち合い展開でしたから、むしろ9番手から必死に食らいついていった園田選手の追走を褒めるべきかもしれません。

ただ、そうしたポテンシャルを読み切ったマクリオーさんの予想の勝利といえる内容です。お見事の一言でした。

2020年12月5日別府競輪「オランダ王国友好杯」[3日目]11R

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

マクリオーさんが予想していたもうひとつのレースは、同じくS級準決勝の2つ目にあたる別府11Rです。熊本のS級S班である中川誠一郎選手を中心とした車券が売れていたものの、マクリオー選手は何らかの霊感を覚えたようでした。

実績豊かな新潟の諸橋愛選手と、なんと瀬戸内ラインの3番手につける柏野智典選手の1着2着固定のフォーメーションで攻めることを宣言します。7=9-1235は3連単フォーメーションで8点ですから、車券的にはハイリスクハイリターンといえるでしょう。

出典:KEIRIN.JP

ただ、狙いは良かったものの不的中でした。千葉の岩本俊介選手が切符よくホームから発進し、新潟の諸橋選手を連れて駆けていきます。3番手にいた福島の平沼由充選手はちぎれてしまいますが、岩本選手は諸橋選手とともに一気に抜け出しました。

ここで九州ラインを引っ張っていた佐賀の成松春樹選手は力尽き、タテ脚の力には定評がある中川選手が自力に転じて前を追いかけていきます。瀬戸内ラインはそこから阿竹-久米-柏野の順番どおりで追いかけたため、どうしても不利な流れでした。

結果的に、柏野選手は猛然と追い込んだものの、4着までが精一杯でした。最後の決め脚にはすばらしいものがあっただけに、非常に惜しい1戦だったといえるでしょう。

もしも瀬戸内ラインが機先を制していれば、充分に柏野選手の1着2着の2連対はあった内容です。これもまた競輪ですが、マクリオーさんの見る目が確かであることも証明された内容でした。しかし、当たらなければ画餅なのも競輪です。

2020年12月小倉競輪「西日本スポーツ杯」の実績

もうひとつのレースでも検証してみましょう。上記のオランダ王国友好杯への資金作りとばかりに、11月30日から12月2日まで小倉競輪で行われていたF1競走のナイター開催「西日本スポーツ杯」のS級決勝の予想記事をアップされています。

こちらは、さらにマクリオーさんらしさが発揮されました。

2020年12月2日小倉競輪「西日本スポーツ杯」[3日目(最終日)]12R

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

マクリオーさんはこのレースで2-6-35の3連単フォーメーション、なんと2点のみでの勝負に集中しました。とんでもない勝負師です。

こうした予想に至った流れとして、マクリオーさんの理論を解説しましょう。まず、マクリオーさんは上田-荒井の九州ラインが2車なところに注目しました。

22歳の上田尭弥選手は若手の成長株ですが、ここで2車は厳しいと判断しました。公式の予想印も無印なところから、多くの予想家たちもそう考えていたことが窺えます。何しろ上田選手の本質は豪快な先行からの逃げ切りのため、ラインの短い2車では展開から不利です。

このため、マクリオーさんは上田選手が一度は後ろまで引いて、ドカンと一気にダッシュするカマシ戦法を取ると考えます。実質的な逃げでありながら、前のラインを出し抜けるまくりの性質も兼ね備えている選択といえるでしょう。

これなら、上田-荒井ラインは2車でも他の5車を出し抜いて、優位にレースを進められます。一度加速したら止まらないのが上田選手の特徴ですし、42歳の荒井選手がそれについていけるかどうかが鍵になるでしょうが、S級1班ともなれば問題ないでしょう。

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

ただ、カマシを狙うのは他のラインも織り込み済みです。マクリオーさんはこのカマシが不発に終わり、上田選手は失速して後退し、荒井選手は6番手に付け替えると見ました。

この時、カマシを阻止するために逃げているのは、3車の強みを生かしている松本-濱田-高原の四国ラインです。26歳の松本貴治選手もしっかり逃げる脚を持っており、実際に準決勝ではバックを踏んで2着に逃げ粘っていました。

この準決勝で番手から差し切り1着になったのが、決勝では3番手になった徳島の高原仁志選手です。決勝には松本選手と同じ愛媛の濱田浩司選手が勝ち上がってきたため、高原選手は3番手に回った格好となりました。

しかし、それでも怖いのは中団を確保した宮本-久保田の中国ラインでした。山口の宮本隼輔選手は、一時期かなりの不調に陥りましたが、秋頃になってようやく復調してきました。113期を代表する出世株なだけあり、同期の上田選手には負けられません。

久保田泰弘選手は同じく山口で、準決勝では宮本選手と別のレースだったため、先ほどの松本-高原ラインの3番手に瀬戸内ラインとして参加し、見事3着で決勝への切符を手にしていました。

久保田選手は決勝では競走得点こそ最低の6番車になったものの、まだ25歳の111期の自力型です。26歳113期で年長の後輩にあたる宮本選手の後ろとはいえ、しっかりついていける、マクリオーさんはそう考えました。

公式の予想で無印なのは、やはり2車での不利が考えられたためです。3車いる四国ラインの先頭の松本選手が本命となり、番手の濱田選手が対抗、急追する宮本選手が単穴指名で、逃げるであろう上田選手のラインから切り替える番手の荒井選手が連下の印でした。

マクリオーさんは公式の予想家(おそらく小倉なので「コンドル出版」が担当していたでしょう)と違って、中国ラインの2車を重く見たわけですが、レースはどのように推移したのでしょう。結果は以下のとおりです。

出典:KEIRIN.JP

残り1周を告げるジャンを受けてのホームの状況で、順番は九州ライン-中国ライン-四国ラインでした。九州ラインの上田選手が2車でも果敢に逃げをうち、マクリオーさんやKEIRIN公式の狙いとは違う展開になりました。

ただ、マクリオーさんの読みどおりに宮本選手が中団を確保し、絶好の3番手に控えます。これは実績最高の宮本選手としては願ってもない展開でした。

競走得点最高で公式イチオシの松本選手は、完全に出遅れます。その不利を覆すために1コーナーから仕掛けたものの、宮本選手の番手で全体の4番手の久保田選手がブロックして進めません。

しかし、次に仕掛けた宮本選手も荒井選手の好ブロックにあい、3番手からのまくりを一撃で決めるのに失敗します。なお悪いことに、自在型の荒井選手が自力に転じようとしたものの、逃げ脚が仕上がっていた上田選手をかわせません。

結果的に、宮本選手は再度仕掛ける場所も機会も失います。インに切り替えようとしたところには、後ろから四国ラインの2番手だった濱田選手が切り替えてイン突きを敢行していたため、外を回すしかありませんでした。

直線では逃げる上田選手、番手発進で必死に追う荒井選手、その外を回す宮本選手、イン突き強襲を狙う濱田選手のマッチレースとなり、僅差ながら4上田-2宮本-1荒井で決着しました。人気薄の3番目ライン、さらに2番目ラインの先頭選手が割って入る形です。

3連単の配当は27,850円と万車券決着になりました。マクリオーさんは素直に上田選手から入っていれば……という、「これぞマクリオーさんの悲しきサガ」を感じさせる結果に終わったといえます。

マクリオーさんのブログには競輪の魅力が詰まっている

出典:マクリオーの競輪競馬予想!

競輪の予想は楽しいものです。妄想が妄想を呼び、しかしその妄想を別の妄想が打ち消していく。終わりのない夢が次々に泡のように現れては消える、夢につぐ夢のような空間が広がります。

マクリオーさんのブログには、そういった競輪ファンの煩悶や懊悩といった感情がたっぷりと詰め込まれていて、自分の中の競輪愛に気づくような瞬間がやってきます。「そうだ、自分もまた競輪が好きだったんだ」と気付かされる魅力に満ちているといえるでしょう。

絵文字も入っていますし、天下の名文というわけでもありません。それでも、抗いがたい吸引力があるのが、「マクリオーの競輪競馬予想!」というアメーバブログにある個人ブログです。